映画 KAMIKAZE TAXI (1995)

組長亜仁丸(ミッキーカーチス)率いる暴力団は三下の達男(高橋和也)を使って大物政治家土門の愛人の世話をして見返りを貰っていた。ところが達男が斡旋した女が土門に傷つけられる。その代償に土門から30万貰ったはいいが彼女を仲介した達男の情婦が場所をわきまえず激昂したため亜仁丸に処分される。達男は死体を処理しろと言われる。この仕打ちに怨念を抱いた達男は仲間らと土門邸を襲撃して二億円を強奪する。だがすぐ足がついて仲間らは皆殺しになるが達男は逃げることができた。二億円を持ってである。

ヨレヨレの達男が拾ったタクシーが日系ペルー人寒竹一将(役所広司)が運転するそよかぜタクシーだった。伊豆まで行くよう交渉し達男は田舎に潜伏することに成功するが亜仁丸の部下にキレ者がいて達男の実家の墓周辺を張っていたら案の定達男が現れる。達男は連れ去られるが車の中で拳銃をぶっ放し脱出、それを見ていた寒竹は何故か達男をタクシーに乗せて逃げてくれるのである。

アンデスの民謡をケーナで吹いたりと素朴な風貌を持つ寒竹だがその内面は暴力団も及ばない修羅の顔を持つ。達男は情報を得て亜仁丸を都内で暗殺しようとするがボディガードに射殺された。ペルーに帰ろうとした寒竹は飛行機が欠航したことから思い直して達男の仇を討つことにした。センデロ・ルミノソに殺られた父の仇を討てなかった後悔もある。土門邸に乱入し土門と話してみると土門は神風特攻隊だった父の上官だった。その後土門に亜仁丸を呼び出させサクッと仕留めたのである。