前略おふくろ様 II 第22回 (1977)

海ちゃんの後遺症は大したことはなく今ではケロッとしている。規則を守らない海ちゃんの事でサブが医者からしぼられる。サブから海ちゃんに言うとどこ吹く風である。

女性の実像におけるこの様な表現は流石に素晴らしいものがある。ジブリのアニメに出てくる女性にはこの様な陰影の肉付けに乏しい。さらに上を行くのが向田邦子のドラマである。女性側からしか見えない実像が描かれている。

お嬢さんがサブに問いただす。この前訪ねて来たタヌ子の事である。サブは男女の関係は何も無いと言う。するとタヌ子から電話があり喫茶店で会う。仙台の就職の話をタヌ子に打ち明ける。タヌ子は異変に気づく。周りを皆んなに囲まれていた。皆んなニヤニヤしているがお嬢さんはプンプンである。サブは憤慨しこの事を海ちゃんに話すと反応はクールだった。タヌ子の事を知っていてあの子はあんまり良く無いよと忠告する。

かすみちゃんはまだ相手とはフィアンセの関係のままで独身だった。だが近々アメリカへ行くことになると言う。赤提灯で秀さんとサブとが話している。店のことは心配するなと言う。母の事も聞かれる。いい話だと背中を押してくれるがサブはまだ決断できないでいる。

翌日は皆んな元気に働いていた。サブにかすみちゃんから電話がある。今夜お別れパーティだと言う。海ちゃんがまた病院を抜け出し苦情の電話が来る。海ちゃんは砂時計にいたがサブがとうとう怒りをぶつける。海ちゃんは全然動じず話題をそらして来た。サブはこれが最後通告だと言う。

サブと半妻とかすみちゃんとで鍋料理を囲んでいる。よく考えると歴代の恋人である。二人がかしこまっていると後で読んでとかすみちゃんは手紙を渡してくれた。その場で読むとどうやら同じ文面だったらしい。ただ名前が逆になっていた。三人は酔いつぶれる。

帰り道半妻が警官に絡み始める。しつこく絡むが逮捕はされなかった。サブは半妻をアパートに連れて行きダラーンとしている。そこには管理人からの置手紙が。母が今日亡くなったと書かれていた。それを見て半妻は顔色を変えたがサブは嘘だと思って笑っている。今日夢が全部壊れて脳がついて行かないという演出か。なかなかリアルである。