映画 ラスト・ショー (1971)

映画の舞台はテキサス州アナリーン、ここはウィチタとダラスに近いが石油が出るだけのぽっかり穴が空いた様な町である。地元のハイスクールに通うソニーとデュエインが主人公である。11月のある土曜日の朝、昨日フットボールの最後の試合に負けたソニーは41年型シボレーのピックアップに乗り木枯らしの吹く町を走っている。エンジンの調子が悪くチョークを激しく操作する。道路を掃いている少年ビリーを見かけると車に乗せ早朝から開いているライオン=サムが経営するプールホールに駆け込み暖をとる。プールホールとは軽食とビリヤードを提供する店である。ソニーはここで何か食べながらサムと軽口を叩く。サムは昨日の試合でソニーらが負けた事に文句を言う。ビリーは可哀想な孤児でサムが面倒を見ている。店の前をいつも箒で掃くががとめどなく掃くのでソニーは心配している。

デュエインが登場する。油田掘削屋のトラックの荷台に乗って現れたデュエインはソニーと合流しカフェに入る。サムはこのカフェとプールホールと映画館のオーナーであるが天涯孤独の男だ。二人は今夜映画館に行く行かないと話している。

その夜ソニーが映画館に入るとそこには付き合っている彼女のシャーリーンがいた。付き合い始めて今日で一年なので彼女はプレゼントは?と言うがソニーはガムが一枚あるよと言う。そこへデュエインと町一番の美人のジェイシーが現れ席に座る。映画が終わるとデュエインとジェイシーはコンバーチブルに乗って颯爽と帰って行った。一方ソニーとシャーリーンはピックアップに乗って人気の無いところに行き、裸のオッパイを触り始める。だがソニーがそれ以上の事をしようとするとシャーリーンは拒否し口論になる。結局お互いそれ程想っていないことが露見して二人は別れるのである。

だいたいこんな感じで始まる青春ドラマであるがなかなかエグい事が起こるわりには皆んな良い人でなんかほのぼのとしているのである。この後はデュエインがインポ男とわかりジェイシーと別れ、ソニーは不美人の人妻と不倫関係を持つようになる。デュエインは町を出てお金を貯め車を買い、たまに町へ帰ってきてソニーと会うのだがソニーとジェイシーの関係を疑ってソニーの顔を殴打し入院させる。ジェイシーはプールホールに出入りしている男に処女を奪われソニーと駆け落ちしようとしたが未遂に終わる。彼女は結局ダラスの大学へ行くことにした。

少年たちに優しかったライオン=サムは急死してしまい残った財産を周りの人に託す。デュエインは徴兵され町に一時帰っていたがいよいよ明日出発し朝鮮戦争に行く。とうとう店をたたむ事になった映画館でその夜ソニーとデュエインは最後の上映を楽しむのである。次の日デュエインは母と車を残しバスに乗って行ってしまった。戦死のフラグかと思ったがラスト・ショー2ではデュエインは町に帰って事業に失敗するという設定になっている。