東洋文庫 水滸後伝 陳忱 (1664)

水滸伝の結末は108人のうち生き残ったのが36人、首領の宋江も毒殺されるという陰惨なものだったがこの水滸後伝はその続編である。まず阮小七が登場し漁師として暮らしを立てていたがある日役人の張通判にいちゃもんをつけられる。が、そこは怪力無双の阮小七、夜討を仕掛けてきた張通判を返り討ちにしてしまう。追われる身となった阮小七は母を馬に乗せて逃亡するのだがうまい巡り合わせで孫新と遭遇し登雲山の盗賊集団に合流する。ここからは水を得た魚のように非合法活動を展開するのである。

まず悪事を働いていた小役人を襲撃し討伐にやって来た欒廷玉を計略にかけ州庁を襲い県知事を惨殺するのである。欒廷玉も仲間に引き入れてメンバーは7人となった。

ここで口上、 さて七名のますらおたち、登雲山に義もて集まりましたが、ただ強欲不義の財をかすめるのみ、貧しく罪なきやからをあやめることはいたしません。ために、ところの者は畏服し、官軍また軽々しくは、これにいどもうとはしません。

歴史的な場面がいろいろ出てくるお話だが第30回では薩摩藩に漂着した李応が倭人と交渉を持つ。第35回ではシャムに押し寄せた太閤の軍と戦火を交える。などと荒唐無稽なストーリーが展開して最後はハッピーエンドになるようである。