読書をする人だけがたどり着ける場所 (2019)

テレビでおなじみの齋藤孝先生の好著である。流石に非の打ち所のない論調で読書することの効用を説いている。氏は大学一年生にも一般人にも小学生にも関わって有益な言葉を述べている。特に大学生にはリベラルアーツの重要性を説いている。専門バカにはなるなとの言葉も戴いた。要するに言葉を磨きながら思考や人格を深めて行くのが読書のもたらす効用であるという。

音楽、映画、テレビのドキュメンタリーの効用にも触れている。漫画も役に立つという。古今の名著、東洋の思想、現代のベストセラーも読めという。人生は勝ち負けよりも生き方が大切で太宰治の「眉山」という短編を読むとこの事が理解できるという。

気になった点を挙げておく。氏は本を読んだらその本にふさわしいポップを書くことを勧めているが梗概を書けとまでは言わない。また歴史書はE.H.カーやユヴァル・ノア・ハラリの本を勧めているくらいで東洋文庫を全部読めとは言わないのである。また教養を深める為の外国語の習得には触れていない様である。