NHK BS 刑事コロンボ 忘れられたスター 2019年3月16日放送分

中年でバリバリ仕事をする男だが風采は上がらず、現場に現れるとマイペースで容疑者を追い詰め最後は地獄に突き落とすという警部補。そういうコロンボを疑いもせず好意を持って受け入れていた若い頃。この話の初放映は1975年9月14日である。今はどうかというと司法の闇は増大しつつあり、組織の悪が勝利を収めつつある現実が見えているように思える。

今回の話はブロードウェーで復活するという妄執に囚われた老女優(ジャネット・リー)がプロデューサーを巻き込み、反対する医師の夫を殺害しそのお金で新作のレッスンを開始するというもの。いろいろ仕込んだ工作も見事にコロンボによって暴かれ、関係者に動かぬ証拠を突きつける最後の場面に今回も至るのだがちょっと意外な結末になっていた。

ロス市警がどうなのかよくわからないがコロンボの大胆な発想を上層部がブロックすることがストーリー上出てこない。ダーティーハリーでは結構出てくるのだが。一方日本の警察はガチガチの官僚組織で米国人から見ると珍妙であるらしい。ブラック・レイン(1989)ではそんな風に描かれている。バラエティー番組で元刑事である飛松五男がぶっちゃけたところによると優秀な刑事はみなドスケであるという。又、刑事の実態はデスクワークであり担当刑事が現場を実際に見る事はほとんどないらしい。 (ジョブチューン3月23日)