映画 あの頃ペニー・レインと (2000)

キャメロン・クロウ監督の自伝的映画でアカデミー賞脚本賞のウィナーである。始まりは主人公のウィリアムをロースクール飛び級で入れて弁護士にしたがっている母親が登場し、それに反発した姉のアニータは弟にロックのLPを残して男と出て行くという展開である。

その頃のアメリカの保守層の家庭ではティーンエイジャーにドロップアウトとドラッグをそそのかすロックのような音楽は容認されていなかったようで日本の方がむしろ自由に聴けたようである。

たちまちロックの虜になったウィリアムは地方音楽誌の編集者と知り合いになり記事を書くうちにローリングストーン誌編集部から声がかかる。ある中堅ロックバンドの記事を書いて送るよう依頼されたまだ15歳のウィリアムは、母親をなだめすかしてバンドのツアーに同行するのだが、バンドのギタリストのラッセルとなんとか仲良しになれたものの美少女グルーピーであるペニー・レインと三角関係になって行く。

人気バンドの内情はみんなこのようなものだし特に新鮮味は無かったが結局ウィリアムはグルーピーの少女達に童貞を奪われ、ハイスクールの卒業は延期になり、ペニー・レインは自殺未遂、原稿はボツになったという話である。散々な目にあったウィリアムだが、空港のロビーで姉と再会し家に帰る。そこへペニー・レインに騙されたラッセルがやって来てウィリアムに謝罪し、なんとかハッピーエンドのような結末になる。

「ミュージシャンが音楽を愛する」というテーマの割には誰もそれほど音楽を愛してないんじゃないの?というシュールな疑問が生じる映画である。