BSドキュメンタリー カブール 橋の下の物語~麻薬中毒 更生の母 前編(1918)

カブールのゴミだらけの橋の下にジャンキーが住み着いて行き倒れになるという光景が映し出される。国は何もしていないのかと言うとそうでも無いようだ。麻薬対策省、保健省がある。タリバンの攻勢が忍び寄りつつあるカブールでレストランを経営するライラ・ハイダリは私営の更生施設を持ち中毒患者を説得しては入所させ数ヶ月薬なしで生活させるという活動を行なっている。

この日も橋の下に出かけ数名ほど施設に連れて行った。持ち物検査、写真撮影、剃髪が行われる。長身の中年男イクティアル・グルがクローズアップされる。彼はナジブラ大統領の護衛だったという。カメラに向かって吟遊詩人みたいに歌いだす。声といい節回しといい立派なものだ。ライラの兄が施設の責任者である。ナルコティクス・アノニマスというワードが出てきた。女性専用の施設も持っている。そこには問題を抱えた女性中毒者とその子供がいた。確かにこの施設には問題がある。医者も、代替薬物もなく、診察室もない。その為に2年半の間援助が受けられずにいる。

Kabul Debate Liveというテレビ番組にゲストとしてライラと兄が出ている。麻薬対策省副大臣ムハンマド・アズハル、麻薬対策団体コロンボ・プラン代表アブドゥラ・ワルダク博士が紹介される。副大臣はこの問題の根源には国際マフィアの存在があると述べる。ライラも発言する。自分たちに資金援助が一度もなされなかったこととコロンボ・プランの腐敗を指摘する。腐敗についてはワルダク博士はその場で否定した。

カブール市内の悪趣味な御殿が映し出される。違法取引で建てられたものである。さらに深刻な問題が映し出される。入所者が集められHIVについて兄が説明する。警察官上がりの入所者が多いようだ。この中にHIV陽性の者がいる。

ライラは今日も橋の下に行き麻薬中毒の女性に声をかける。野次馬とライラの間で口論となる。ライラは棒を振り上げて野次馬を追い払った。女性専用施設に行く。ライラは痛みで苦しんでいる女性の為に医者を呼んで鎮痛剤を注射して代金を支払った。ライラの三人の子供は離婚した夫とイランで暮らしている。娘のゼキアとスマホで話している。

麻薬対策省の職員がやってきてライラらと話し合う。実業家からも寄付を受ける。入所者は皮膚病にかかっている。イクティアル・グルは退所して行った。橋の下で倒れている死亡者を弔う。一日に三人くらい亡くなるようだ。グルは弟一家の部屋を間借りして暮らすという。