映画 ル・アーブルの靴みがき (2011)

主人公の老人マルセルはル・アーブルに住み靴磨きで生計を立てている。妻と一匹の犬と暮らしている。ある日コンテナにアフリカからの不法移民が潜んでいるのが発見されその時逃げ出した少年がイドリッサである。捜査の手を逃れたイドリッサはマルセルに助けられ妻の入院中に家へ転がり込むという状況になる。イドリッサは教育を受けておりフランス語を流麗に話す。市民の通報で警察が動きだんだん危なくなってくる。一方妻のアルレッティは重病だがそのことをマルセルには隠している。

マルセルはイドリッサの家族の所在を調べロンドンに潜んでいる母親の元へイドリッサを密入国させようとする。それには3000ユーロかかるという。資金について友人に相談すると慈善コンサートがいいと言う。いよいよリトル ボブのコンサートが開かれる。日程を失念していたマルセルはイドリッサに病院まで届け物を届けさせる事になる。イドリッサは自分はマルセルの友人と名乗ったがアルレッティは半信半疑である。

英語で洗練されたロックを熱唱するリトル ボブ。切符切りを手伝うマルセル。そこへ捜査の手が伸びてくる。次の日の早朝自宅で金を数えているマルセルの処へ警視がやってくる。この自虐的な警視はイドリッサを見つけるが憐憫の情から忠告して帰っていった。その後強制捜査が入る。イドリッサはマルセルの手引きにより漁船に乗って出航した。マルセルは奇跡的に回復したアルレッティと家へ帰る。

大人の絵本のような話でリアリティーに乏しいと見た。君を想って海をゆく(2010)の二番煎じのようでもある。不法移民がうろちょろするフランスの北海岸、犯罪だらけの南海岸、あんまり住みたくない。