2015-07-01から1ヶ月間の記事一覧

遠藤誉 チャーズ 中国建国の残火 (2002)

八路軍による長春包囲戦については概要程度の解説はあるものの実態がどうであったかは知り得ないと思っていたが、張正隆の雪白血紅(1989)とこの著者のチャーズ 出口なき大地(1984)にすでに書き記されていた。この本は新たな書き下ろしのようだが読んでみ…

映画 泣きたいときのクスリ (2009)

オロナインH軟膏発売55周年記念の映画だという。この道楽度が凄い。内容はローカル線のローカル駅を舞台に展開される人間模様だが登場人物が・・・・。田舎者じゃ無い。きれいな標準語を話しオムニバス風の寸劇を演じている。大人が思い切り泣けるかという…

映画 チキンとプラム あるバイオリン弾き、最後の夢 (2011)

これはイラン人が書いた大人の寓話だ。欧米化していたころのテヘランが舞台である。あるバイオリン弾きがストラディバリを求めて得られず自殺しようとする。登場人物はイラン人のはずだがペラペラとフランス語でしゃべる。夫婦間、兄弟間で口論するがその直…

DVD 天のゆりかご 世界の屋根パミールに生きる

ムスタグ・アタという標高7546mの山の麓にタシュクルガンという町がある。今は中国の領内になっていてタジク族が少数民族として暮らしている。標高4000mながら雪解け水による川が流れており草原が広がっている。ヤギとヤクの放牧がおそらく生きるための唯一…

映画 ブラックボード (2000)

イラク軍の爆撃によって教室を失ったイラン人の教師の群れが村を目指して歩く。皆同じような黒板を背負っている。職を求めているらしい。まだ戦闘は続いているのかヘリの音がする。教師らは機銃掃射を恐れ黒板に泥を塗りカムフラージュする。村外れに老人が…

満洲で起こった事

もう大体分かった。 赤い月の家族(なかにし礼)のように牡丹江にいた人も新京に集結して粘っていればアメリカのおかげで安全に日本へ帰れたということになる。一方特権階級だった家族(藤原てい)のようにいち早く列車で新京を脱出した組は朝鮮で足止めされ…

鶴見俊輔 アメリカ哲学 (1950)

哲学を哲学者の手から取り戻して、人々に返すことこそ今日の重大な問題である。何故なら哲学は別に特別の一学問ではなく「どんな事が正しく、どんな事が善く、どんな事が美しいか」についての思索なのであるから。これらの問題について考えることは、今日の…

音楽

Ode to Sundown (4'10" ): Piano 佐藤允彦Piano works 佐藤允彦

世界一周のブログ

最近は世界一周のブログまであるので驚きとともに参考になる。しかしよく見ると観光が無い1日もあるようだ。入国手続きや交通状況で動けない場合もあるし観光したく無い日もあるようだ。そんな日は日中の暑い時間は宿にじっとしていて、涼しくなる夕方バザ…

映画 柳と風 (1999)

イラン北部のある村、分数の授業を受ける児童たち。そこへ転校生が現れる。アルダカーンからやってきたアルダカーニという少年だ。席を決めてもらい授業を受けるが外の雨に見とれている。先生が何度も注意するがやめない。雨を見た事が無かったことが理由ら…

シーナ・アイエンガー 選択の科学 (2010)

テレビは最終回を録画して見たし所々に新説もあると感じたが、このかなり厚手の本を読んでもそれほど楽しくは無かった。この論考の目的は幸福になるための方法を明らかにするという事のようだが引き合いに出された不幸の数々を読む事でかえって暗い気持ちに…

公園の木

始原的な喜びとは

人間の特性からすると始原的な喜びとは本物の風景の中を移動しながら生活する事だろうと思う。豪華な住居に住み美味しいものを食べる事では無い。手つかずの自然(本物の風景)とは、遠くに山並みがあって湿原と草原と森を抜けて湖まで移動できるような場所…

映画 ワン・デイ・イン・ヨーロッパ (2007)

サッカーのヨーロッパチャンピオンを決める試合の日、モスクワでイギリス人女性が追い剥ぎに遭う。タクシーもグルだった。気が強い女性だがロシア警察の怠慢な態度には歯が立たない。彼らは全員仕事そっちのけでテレビを見ている。それでも事件を目撃してい…

さようならトルコ

僕が京都の宝ヶ池のホテルに一泊した時のことである。午後のチェックインだったがその日はもう長旅で疲れていた。近場のお寺か庭園に行く計画もあったのだが、部屋に備えてあった京都という全8巻のビデオライブラリーを見ることにした。翌日、疲れの取れた…

映画 ガーダ パレスチナの詩 (2005)

ガザ地区の映像が出てくる。海岸があり密集した住宅がある。ガチガチのイスラム国家のような気もするが女性のガーダが師範学校を出て教職に就くなどわりと自由な社会のようだ。アフガニスタンとはだいぶ違う。ガーダの婚約者ナセルが出てくる。二人は伝統的…

映画 パレスチナ (2011)

パレスチナ人を迫害し、トルコのボランティア船も襲撃するというイスラエルに対しトルコの正義の鉄拳が炸裂するという映画。報復の方法は単純明快でイスラエルの特殊部隊のボスであるモシェを殺すことだ。トルコの元特殊部隊のポラットら3人が正面から堂々…

映画 蜂蜜 (2010)

ユスフ三部作の最後。トルコの広葉樹林の中、向こうからろばを連れた男がやってくる。鳥の声と足音が響く。立ち止まり木を見上げると蜂蜜を採取し始めた。上の方にミツバチの巣があるのだ。男はロープで登って行くが枝が折れ宙づりとなる。 まだ子供のユス…

映画 ミッドナイト エキスプレス (1978)

男がトルコ旅行の帰り飛行機に乗ろうとしてチェックを受ける。男の名前はビリー。ハッシシを体に巻いていたが軍の検問があり連行される。これは厳しいことになりそうだ。領事館の人が来て今後のことを手助けしてくれる。密売人の逮捕に協力すれば国に帰して…

きたやまおさむのレクチャーアンドミュージック

かつて NHK FMでオンエアされた精神医学の夏期講習のような番組。これを下図のような仕組みで録音し最近やっとSDカードに移し終わった。通勤の時などに聴いている。非常に高音質と思う。

音楽

Feel too Good (3' 7" )Utopia , Deface the Music

映画 地獄でなぜ悪い (2013)

ヤクザの親分がこれから討ち入りするが、出所する妻のためにあと10日で映画を撮らなければならないという状況を無理やり作り出す。死んでもいいから一世一代の映画を撮りたいという無名監督とその仲間たちがいる。運命のように両者を結合する。するといつの…

言葉の弾幕

トルコ映画の卵、ミルク、蜂蜜はセミフ・カプランオール監督の文芸作品とも言える三部作だ。言葉が少なく余白が多い。日本映画と比べると伊丹十三監督の作品は余白が少ないと感じるし、山田洋次監督の男はつらいよシリーズは文芸作品的でありながら言葉の密…

映画 ミルク (2008)

余白の多い映画だ。その分たっぷりとトルコの風景を楽しむことができる。ヘビの燻り出しの場面がある。よくわからない。しかし吊るされているのが母親のゼーラであること、煮立ったミルクに護符を入れていたことより推測はつく。しばらくして男女が登場する…

加治将一 龍馬の黒幕 (2009)

大体読み終わった。グラバースキームという言葉が出てくる。無血革命論者の龍馬が内戦前夜に暗殺された、ということは内戦を起こしたい勢力の仕業だなと推測できる。とすると①外国の武器商人(グラバー)、②本国政府(パークス、アーネスト・サトウ)、③岩…

音楽

Moon and the Stars (3'35' ) , Life StoriesGuitar : Earl Klugh

NHK BS シルクロード 第二部 第16集 騎馬の道はるか

イランイラク戦争の復興期なのか、イラン〜トルコの国境検問所には資材を運ぶトラックがひしめいている。1983年5月取材班はトルコに入国する。アララット山を背景に二台のニッサンサファリが行く。エルズルムに到着。市の中心部に東ローマ帝国の要塞がある…

映画 おじいちゃんの里帰り (2011)

戦後のドイツ復興に外国人労働者が導入されその100万1人目がフセイン・イルマズだった。いまではおじいちゃんだ。ドイツに帰化し孫たちがいる。家族たちが集合し食卓を囲む。おじいちゃんが報告する。トルコに家を買ったのでみんなで行こうという。 フセイ…

映画 太陽に恋して (2000)

陽炎立つブルガリアの平原の道路を遠くから一台の車がやってくる。丸刈りの男が車から降り(ベンツの古いEクラス)トランクの中の死体を見る。突然現れたヒッチハイカーを乗せトルコへ向かう。ヒッチハイカー(主人公ダニエル)はハンブルグ在住の物理の教…

映画 卵 (2007)

主人公のユスフの古本屋。もう夜だが店は開いている。突然実家から電話があり急に帰る事になった。シャッターを閉め車のエンジンをかける。河岸段丘っぽい所を走り抜け朝方ティレ郊外の村に着く。ユスフは髭を生やしたいい男だ。家は葬儀の最中だった。お悔…