2016-03-01から1ヶ月間の記事一覧

島木健作 赤蛙 (1948)

青空文庫で読んでみると冒頭の修善寺の旅館での不当な扱いに作者が憤慨するくだりが明晰な文章で心に迫ってくる。さらに福島の温泉でのハラワタが煮えくりかえる様な経験にも言及している。昔教科書で読んだときの読後感にはそういう印象が無かった。いろい…

映画 colors (2006)

柿本ケンサク監督の長編もの。各所で現われる音楽と映像のセンスには優れたものがある。 ストーリーは賛否両論がある。まあこれは変わったテイストの独創的な映画と言って良いと思う。 カラーで区分けされた個室に入っているのは病気の若者や死刑囚、主婦、…

脳内フローラ

単なる一例だが音楽30%、理系40%、文系20%、スピリチュアル0%、ゲーム10%で行くと人生が安定するかも知れない。音楽が良いのは幼少時に親しんでおくと一生楽しめるし何より脳を活性化する働きがある。優れた音楽を聴くと耳を介して脳内のある部分の血…

音楽

J.S.BACH 二つのバイオリンのための協奏曲 第一楽章 (4’9”)

HCAプリメインアンプ

新回路のアンプが組み上がった。 出力インピーダンス25Ωと高めである。 作りやすく音も良いがシンプルなHCAの方がピュアな音がすると思う。

映画 スウェーデンイェルム家 (1935)

名門スウェーデンイェルム家は科学者である父のロルムと二人の息子、娘の四人家族である。母親は亡くなっていてベテランの家政婦が一家の生活を支えていた。だがイェルム家の家計の実態は火の車で息子達は借金を重ねていた。頼みは父親のノーベル賞受賞と特…

映画 白鯨 (1956)

メルヴィルの小説白鯨の映画化。この物語の語り部であり唯一の生存者イシュメイルは港町ベッドフォードに着くとパブに入りラム酒を所望する。ここはまるでイギリスの労働者階級のパブのようだ。だが19世紀のアメリカである。イシュメイルはよそ者だが地元民…

HCAの新回路

準コンプリメンタリーのアンプを作っていたが発振が止められず諦めた。またの機会に大きめの基板でやる事にしよう。最近思いついたHCAの新回路を試してみる。オンキョーのプリメインアンプの回路に似ているがコンセプトは別物だ。入力インピーダンスが比較…

映画 広島やくざ戦争 (2000)

小沢仁志主演、辻裕之監督作品。ドキュメンタリー作家大下英治の実録・広島やくざ戦争を映画化したもので丁寧に作られておりなかなかの傑作と言われている。共政会に至る広島のヤクザの歴史のようなものだろうか。複雑すぎて余り理解できなかったが神戸の山…

ドラマ ありがとう 第一シリーズ 最終回

立てこもり事件の事後処理も終わりいよいよイチジク(九)保育園の運動会が行われる。先輩亡き後、婦人警官の香子はスリ係の仕事を続ける選択をする。運動会の場面は省略された。このドラマは全部スタジオのセットで収録しているが中盤では珍しく大磯で海水…

全段直結OCLピュアコンプリメンタリーSEPPヘッドホンアンプ

連休を利用してこんな回路のヘッドホンアンプを作った。この回路の利点は出力オフセットが調整無しでほぼ0Vになることである。だから市販アンプやハイブリッドICなどに良く使われる。 ケースは去年作っておいたこんなデザインのもの。 先程完成してきれいに…

ドラマ ありがとう 第一シリーズ

ドラマもいよいよ第28回まできた。ちょっとづつ顔を出しながら小さな悪事を重ねていたベテラン婦人警官の義弟の結末がどうなるかと思ったらLSD密輸グループの仲間に取り込まれてイチジク保育園立てこもり事件を起こすことになる。ベテラン婦人警官が殉職す…

映画 お早う (1959)

小津安二郎監督の松竹映画。東京下町のホームドラマだが大人目線で進行する。林家の実と勇兄弟はご近所のテレビで大相撲を観戦したり英語塾に通う日々である。ところが母の民子はテレビを禁じていてある日こっそりテレビを見ていた実と勇を家に連れ戻し父親…

Pioneer SA-5200(1973)

初段差動の準コンプリメンタリーのアンプは探してみるととても少ない。日本のメーカーは速やかに純コンプリに移行したようだ。 これは単電源だが準コンプリだ。バイポーラの完全対称の終段はもろにカットオフするが準コンプリはそうではないので工夫次第で…

BS ドキュメンタリー 北方領土 終わらぬ戦後 (2015)

24年前の島民アンケートの資料を紐解いてみると今とは違う温度差がある。ゴルバチョフが来日した頃である。その時の取材に元気に答えていた留別(択捉島)出身の一戸さんはすでに92才になり脳梗塞で寝ている。今は返還については諦めの心境にある。 1936年…

BSドキュメンタリー スレブレニツァの女性たち 虐殺の町 遺族の20年(2015)

1995年に起こったこの虐殺の経緯はBS ドキュメンタリー 「ボスニア内戦10年目の真実 スレブレニツァ虐殺はなぜ起きたか」で詳しく述べられているがこれはその20年後の様子を伝えるものである。 国連の定めた安全地帯であるスレブレニツァにイスラム系住民が…

映画 1980 (2003)

ケラリーノ・サンドロヴィッチ監督作品。一年間失踪していたB級アイドル一之江キリナが突然母校へ教育実習生としてやってくる。いわゆる学園ホームドラマだがテクノポップがテーマになっている。すべての切り口が斬新でこんな脚本を書き下ろせるのは凄い。…

ドラマ ありがとう 第一シリーズ

平岩弓枝のこのドラマも第26回まで来たところだが各種各様の家族が入り乱れて出てきて飽きさせないものがある。主人公のひかると母の家庭は警察官の父親が殉職していたり、園長と園長夫人の家庭には実の子が居なかったり、煎餅屋の姉妹は両親を早くに亡くし…

LM3886アンプ

これは書かざるを得ない事案だろう。LM3886アンプをバッテリードライブオールFETプリで鳴らした時の音にはこれまで聴いたことのない特徴がある。ふんわりと鳴って驚くほど透明でキメが細かいのだが適度な清涼感がある。帯域のバランスも良く重量感もある。…

映画 罪とか罰とか (2009)

安部公房の小説を分析すると実存レベルで言う狂気、狂気の一歩手前、クール、常識的、俗物的、俗悪のうち主人公が狂気の一歩手前、周囲が常識的を装った狂気というパターンが多い。この異常なテンションが特異な雰囲気を醸し出す。砂の女、デンドロカカリア…

映画 バベットの晩餐会 (1987)

19世紀のデンマークの辺境ユトランドに敬虔な牧師と二人の姉妹がつましく暮らしていた。美人だった姉妹にたまたまやって来た士官のローレンスとフランス人歌手のパパンがそれぞれ求婚するが牧師はそれを拒否する。傷心の男たちは人生に絶望して帰って行った…

映画 坊ちゃん (1953)

坊ちゃんは物理学校を出て旧制中学の教師に赴任する事になった。東京での婆やとの二人暮らしも今日まででいよいよ松山に旅立つ。駅までは人力車で行く。両親に先立たれているがハイクラスな生活のようだ。婆やから道中の心得を聞かされる。曰く茶代を惜しむ…

映画 天国はどこだ (1956)

東京の海辺の貧民の住む部落にヤクザの健さんが出所して帰って来る。健さんには保母の恋人昌子がいた。昌子は健さんが堅気になってくれると思っていたが健さんはヤクザ稼業を辞めるつもりはない。部落の診療所に赴任してきた古沢医師も絡んで三人による人情…

ドラマ 時効警察 (2006)

警察官が時効管理課という暇な部署ということもあり上司の勧めで何か趣味をという事で時効になった事件の捜査をすると言う設定。シュールな笑いが連続するという変わったドラマである。 第1話を見たが実存レベルで言う、狂気、狂気の一歩手前、クール、常識…

映画 集団左遷 (1994)

中村敦夫、柴田恭兵主演の不動産販売業界ドラマ。バブル崩壊後の厳しい状況で首都圏特販部に左遷された二人はリストラしようと画策してくる上層部に対抗して奮闘する。 ヘリでの空撮、物件の炎上、高島礼子の裸のシーンはさすが映画だと思ったが悪を退治す…

ドラマ ありがとう 第1シリーズ 全30回(1970)

BS12で放映中の平岩弓枝脚本のドラマ。第2シリーズでは民放ドラマ史上最高視聴率の56%を記録している。平易な展開ながら平岩弓枝の小説にあるような男女の不条理な溝のようなものも顔を出す。 山田太一のドラマの登場人物は胸に実存を秘めていていつでも爆…

映画 アニー・ホール (1977)

ブルックリン育ちのコメディアン、アルビー・シンガー(ウッディ・アレン)と恋人アニー・ホール(ダイアン・キートン)との出会いから別れまでが綴られてゆく。アルビーの生い立ちは変わっていて生粋のユダヤ人である。神経質なアルビーとのんびりしたアニ…

映画 荒野のストレンジャー (1973)

西部の開拓地の鉱山の麓にラーゴという集落がある。ちょっと不穏な雰囲気があるこの町にガンマン(クリントイーストウッド)がやって来て酒と風呂を所望する。まず因縁をつけて来た不良三人組を三発の銃弾で倒す。そして上手く町の用心棒として雇ってもらう…

映画 UGLY (2011)

パリまで猫を運ぶ仕事を終えたカメラマンのカズヤは異母兄弟のサトシを訪ねる。シェアハウスにサトシは居なかったが同居人アントワンヌが空いた部屋を使えという。どうやらサトシは同居人の女性ニノを妊娠させて行方をくらませた様だ。次の日からカズヤはア…

ドラマ 阿部一族 (1995)

徳川家光公の治世の頃、肥後藩主細川忠利が病死する。病の床で忠利が阿部弥一右衛門の殉死の願い出を却下した事が発端で悲劇が玉突きのように生成する。 テレビ時代劇でありながら勧善懲悪の要素が無く、処遇への怒りから阿部権兵衛、阿部弥五兵衞が起こし…