2021-06-22から1日間の記事一覧

小説 天北原野 (8)

夫婦の間のことはよくある展開になっているので省略する。こういう記述がある。 《旧市街と呼ばれるロシア人の部落が、豊原の街の北外れにある。くもった空の下を、孝介は用のない人のように、ゆっくりと旧市街に向かって歩いて行く。イワンを訪ねるためなの…