2021-06-01から1ヶ月間の記事一覧

直熱三極管放浪記(6)

実験1 スイッチングダイオードには順電圧が0.77Vのものと0.68Vのものがあるので、まず前者のダイオードとA1015の組み合わせで電圧増幅段をテストした。 その結果電流が流れすぎて1kΩの抵抗に45Vと15Vの電圧が現れた。 実験2 ダイオードを0.68Vのものに変更し…

ラサ・ニンティ鉄道

報道によると2021年6月25日に開通した。 ラサからニンティまでの436kmを3時間29分で行けることになった。それまでは峠道をバスで行っていたらしい。マナリからレーへの山岳ドライブはテレビで見たことがあるが、ここも延々と続く悪路が想像できて興味深い。…

小説 天北原野 (11)

あき子の末っ子の澄男の小学校入学祝いの席での会話である。 《「ところで、この戦争はどういうことになるのかな」 達吉が背を屈めて独酌しながら言う。 「そりゃあ、勝つにきまってるさ」 伊之助も上機嫌だ。電灯に頭がてらてらと光る。 「勝つかね。ガダル…

直熱三極管放浪記(5)

音が驚異的に良かったのでこのプリ部とノンスイッチングFETアンプを組み合わせたのを新たに作る。 節約のためIC式反転入力MOS FET プリメインアンプの基板をリフォームして作る。 リフォーム前 リフォーム後 ゼロから作るより楽であるのは確かである。

小説 天北原野 (10)

下巻に入る。ある日孝介と貴乃と子供たちは行楽を楽しむ。完治は兵役に行っており、あき子は赤ちゃんと留守番している。 《やがて左手前方に多来加部落の家々が砂に埋まりそうに建っているのが見えてきた。家々の間に馬鈴薯の紫の花が風に揺れている。部落の…

直熱三極管放浪記(4)

発振の問題がありあと一歩のところで足踏みしている。ふと思いついてプリ部は問題ないかテストしてみることにした。 両chともきれいにサイン波が通る。 プリアンプとして音を聴いてみる。なかなか良くてFETアンプとも相性が良い。

小説 天北原野 (9)

完治にいわゆる赤紙が来た。強がる完治だが動揺もある。貴乃は千人針を作って完治に持たせる。出征の日の描写がある。 《汽車は大泊駅でとまり、乗客が少し降りると、港駅に向かって発車した 。防波堤の向こうの亜庭湾に突き出して港駅はある。海中に長い鉄…

直熱三極管放浪記(3)

片ch組み上がったのでパワーアンプ部のみで測定した。安定動作に470pの位相補正とスナバが必要だった。 プリ部と合体した特性。さらにもう一つスナバが必要だった。 とても面白い特性になっている。あとは全部完成させて音を聴くだけである。

小説 天北原野 (8)

夫婦の間のことはよくある展開になっているので省略する。こういう記述がある。 《旧市街と呼ばれるロシア人の部落が、豊原の街の北外れにある。くもった空の下を、孝介は用のない人のように、ゆっくりと旧市街に向かって歩いて行く。イワンを訪ねるためなの…

直熱三極管放浪記(2)

ヒーター電流を見ていると定電流ダイオードだとどんどん減少する。かなり発熱するのだろう。こうなったら抵抗一本の方がいいかもしれない。 3kΩ2Wの抵抗にしたところ。ヒーター電流14.5mA、カソード電流61μAとなっている。ほとんど変動しない。 動作点を61μA…

直熱三極管放浪記(1)

と言ってもNutube アンプの新作を作るだけである。Nutube の愛称で知られるこの素子は6P1という型名を持つ直熱三極管なのである。 ±15Vで動作するこのプリメインアンプはやはりなかなか面白い音がする。今回±40Vで動作するアンプを設計してみよう。 前回と比…

小説 天北原野 (7)

不凍港である真岡漁場の描写がある。 《この家の望楼には、若い者が海を睨んで、鰊の群来を待っている筈だ。孝介もまた、桜井五郎治の世話になった年から、何年もこの望楼に登って、見張りの若者と共に、じっと海を眺めたものだった。夕暮れの海辺に、俄かに…

準リファレンス機への昇格(5)

SONYのMOS FETをA4に搭載して音を確認する。K722、J131という珍しい石である。 古いストックなので生きているか確認する。 一つ死んでいたので代替として東芝のJ115を用いる。gmは似たようなものだ。調べてみるとJ131はまだ買えないこともない。 試聴に備え…

プリメインアンプAシリーズ(5)

DCアンプによく使われる2段差動アンプである。増幅素子にJーFETを使う。 左は電流帰還、右が差動2段 特性は大変良い 音質を確認した。きめの細かい明るい音だ。低音も制動感がある。こういう音はハイエンドオーディオでもあるかどうか。コストパフォーマンス…

小説 天北原野 (6)

男女のからむ話は俗によくあるような展開になってくる。孝介はあき子を旅行に連れて行く約束をする。それは梅雨の前の5月になるだろう。 かつてあった豊真線の描写が出てくる。孝介は車中にある。 《そんな話を聞くと、自分が罪を犯しているような心地がした…

東洋文庫 修験道史研究(1942、1972)

本書は和歌森太郎の卒業論文に数編を加えて昭和十七年に河出書房より刊行されたものの復刻である。一部を紹介する。 10P 《はじめ、漠然と、修験道及びその主体たる山臥のことを歴史的に考究しようと志したさいに、思い浮かべた山臥は、第一に述べたような山…

プリメインアンプAシリーズ(4)

安定に動作させるまでいろいろあった。決め手は位相補正用高耐圧コンデンサーだった。33Pだと突然寄生発振する。 8Ω負荷での出力測定 テスト用スピーカーで事故がないかみる。 安定度がわかったのでリファレンスシステムで試聴 ゆったりとした大人の音だ。出…

プリメインアンプAシリーズ(3)

和菓子箱から取り出した電流帰還アンプの基板を±40Vで動作するよう改造して、音質を確認するのが目標である。 改造前の基板 この様なちょっと豪華な回路になる。2段目をカスコードにしたのは素の回路ではアイドリングが漸増してゆくのがわかったからである。…

プリメインアンプAシリーズ(2)

シャーシから作るにはこの様な部品を準備する。 シャーシ加工用の型紙もあるが、これはあまり上手く行っていない。 ±40V電源につなぐ外付け保護回路を新しく作った。 シャットダウンテストを行ったところ。 いろいろと役立ちそうだ。

小説 天北原野 (5)

あき子はついにピアノ教師のイワンと情事を行うようになる。それと同じ頃、孝介はある企てを実行する。 《明るく点る灯の下をくぐって、料亭花の家の広い玄関に、黒い細身の蛇の目傘をすぼめて入ったのは、梅香だった。うすい藍地に白の渦巻きの流れる衣裳が…

ジャズ喫茶本日開店(15)

Autumn Leaves Manhattan Jazz Quintet (1985) King Record制作のデジタルレコーディングのアナログ盤である。音が鮮明なのに驚いた。キュルルっときてパシッ、ズドンとくる。ピアノの音も明快だ。かなりの手練れと見た。ポピュラーな曲がセレクトしてあるが…

小説 天北原野 (4)

樺太の吹雪がとても恐ろしいことは住んでいる者なら承知している。完治はついに雪に埋まり、あとは犬に囲まれて死ぬか、という間際に小屋を見つける。九死に一生を得たのである。貴乃にとっては皮肉な結果となった。狂喜したのは伊之助である。 向田邦子も顔…

プリメインアンプAシリーズ(1)

和菓子の箱が基板格納庫である。 アンプ本体を並べたところ。本当はもう少しあるはず。この中にはSITアンプもあるしGaN FETアンプもある。アンプ界最先端を行っている。 A1から見直して行こうと思う。新作も作る予定。

棋聖戦第1局

ある時「ゲームをしてカレーを食べてゲームをする。これが理想の生活。」と誰かに言ったところ僕らしく無いと言われた事がある。だけどこれは本当のことである。今日も藤井棋聖はあさりカレーを食べていた。 ネットで観戦し将棋ソフトで検証した。この局面か…

小説 天北原野 (3)

樺太の山の描写がある。 《杉の木のように真っすぐに伸びた、エゾ松・トド松が、山の斜面にぞっくり立っている。その山の下の沢沿いに、二棟の飯場が横長に建っている。ここに、杣夫をはじめ造材労務者百二十余人が寝起きしているのだ。 飯場は荒板を釘で打…

東洋文庫 耳袋 1(1814年頃)

南町奉行の旗本根岸鎮衛が書きためた雑話集で全十巻あり、東洋文庫には二冊に分けて収められている。本文の一部を紹介する。 《盲人かたり事いたす事 安永九年の事なりしが、浅草辺とや、年若の武家、僕従三人召連れ通りしに、一人の盲人向こうより来たり、…

お家でベイシー

ベイシーで使われているJBLアンプを真似て作ったので、気分はベイシーと言ってもいいだろうか。 いやよく無いという人もいるだろう。 この軽やかな元気のいい音はその気にさせてくれる。 なんだか格好いいアンプだ。

現代文学

プルースト、カフカと来れば次はフォークナーだ。 新たな読書体験が待っている。

準リファレンス機への昇格(4)

《A3》 2016年3月に製作したプリメインアンプである。オンキョーの回路を参考にしてノンスイッチングアンプを考案した。 この回路はヤマハのHCA回路を2階建てにしたもので、精度はやや落ちるが入力インピーダンスを高くすることができるというものだ。HCA回…