加治将一 龍馬の黒幕 (2009)

  大体読み終わった。グラバースキームという言葉が出てくる。無血革命論者の龍馬が内戦前夜に暗殺された、ということは内戦を起こしたい勢力の仕業だなと推測できる。とすると①外国の武器商人(グラバー)、②本国政府(パークス、アーネスト・サトウ)、③岩倉具視ら、④長州藩の過激派(桂小五郎ら)だが、このうち完璧に仕事をし事後の隠蔽も万全にできそうなのは ②のような気がする。本書でもサトウ、大久保利通ラインで実行されたと推理している。グラバーは薩摩と長州に大量の武器を購入させ、幕府への大砲の納入は寸止めしたとある。内戦で大儲けするより産業を興したほうがいいという判断だ。内戦が長期化したら産業が止まって購入代金が払えなくなるというのもある。その後グラバー商会は造船、石炭産業で財をなしている。グラバースキームは大体において成功したようだ。