映画 悲しくなるほど不実な夜空に (2001)

  弟と姉の会話
 
     いいから帰ろうよ。
     帰ったら困るじゃないのよ。どうやって食べてゆく。
     くだらねえ。
      何がくだらないのよ。
      SMだのスカトロだのがよ。
      そのSMだので生活してんじゃないのよ。あんたらがどうしようもないから
      余計、あんたにそんなこと言われたくない。あんたら私のうんこで食べてる
      んじゃないの。

     ぐうの音も出ないこの状況は考えてみるとなかなかシュールだ。山田太一風に始まってこうなったらもっとシュールだがこの映画は前衛作品風に始まっている。

     弟はフリーター、父親は失業中で一家が食うに困っている状況で美人の姉がAVに出演して生活費を入れている。父親がレンタルビデオ店でAVを見つけてきて激怒する。姉に出てけと言い、姉は出て行ってこういう展開になる。

    姉は家に帰りAVを止めるという。父親は反省して勤めを始めるが弟のほうは相変わらず仲間とつるんで遊びまわっている。神社の祭り、変態おじさん、女子高生らがスケッチ的に登場する。音楽もオリジナリティーがあると思う。