映画 激流 (1994)

    主人公のゲイルは昔渓流下りのガイドをやっていたが今は都会暮らしの主婦である。夫のトムは仕事中毒で休日も仕事をし今回の一家三人のキャンプをパスする。いつもの夫の仕打ちにゲイルは諦めムードだが息子のローク、犬のマギーと一緒にチャーター機で両親が待つ田舎に到着し歓迎を受ける。川下りの登録をしていると川下りは初めてだという中年男の三人組と知り合いになり一緒に下ろうということになる。そこへ夫のトムが仕事カバンを持って駆けつけて来た。

     早速三人と一匹は遠くに山を見渡す絶景の中渓流をボートで下り始める。夫のトムは感嘆する。そうこれが始原的喜びなのだ。気づくのが遅い。一行はボートを川岸につけキャンプの用意を始める。下りながら釣りをしたりキャンプをしたりする本格的な渓流トレッキングである。何と楽しい休日だろうか。犯罪者の3人さえいなければ。

      というわけでこのあと犯罪者が本性を現し一家はピストルで脅されながら非常に危険なガントレットというポイントのさらに下流までの同行を求められるという修羅場になる。逃げても死に逃げなくても死ぬことが予想される。これはシーナ・アイエンガーの死ぬまで泳ぎ続けるネズミを見ているのと同じで観る方も結構つらい。辛さを耐えて観ていたが結局監視官の若者が犠牲になり犯罪者の一人もゲイルによって射殺される。昔なじみの知り合いを殺された報復ということか。一家は無事に下流のポイントまでたどり着いた。後味は悪いがハッピーエンドの娯楽作品になっている。