岸辺のアルバム 第12回

   担任のアパートを則子が訪ねる。繁の変調の事で相談である。繁は大音量のハードロックをかけて部屋に閉じこもっている。担任と繁はスナックで面談する。繁は家をめちゃくちゃにするんだというが理由は言えない。担任は繁が恵まれていると指摘するがその平穏無事がいいのかどうか繁はまだ深く悩んでいる。 

  ある日曜日謙作は皆んなで散歩しようという。河川敷に行きアルバム用の写真を撮る。家族写真を撮るのは1年ぶりである。この時繁は行くのを渋り、声を掛けた父に母の浮気をほのめかした。哀愁に呼び出されモスバーガーに行く繁。哀愁に自分の家の事を少し話す。そこへ男が家族連れでやってくる。和気藹々の様子を見て繁は少し頭にくる。繁は家の事が心配になり哀愁に促され家に帰ると家は平穏無事である。

   姉を見るとまた男ができたのか編み物をしている。とうとう頭にきた繁は両親のところへ行き父親の影の仕事、母親の浮気、姉の堕胎、これら全部をぶちまける。父親は怒って繁に殴りかかるけれど殴られる筋合いはないのだ。繁は反撃して父親を倒した。この場面が唯一スッキリするところだ。繁は家を出て働くという。繁の突っ張りの強さに対し謙作には弱さがある。だが意を決して決着をつけようとする。律子にはあまり強くは言わなかったが則子に対しては怒りが爆発する。繁は翌朝少しの荷物を持ち出て行った。