岸辺のアルバム 第14回

   駅でいじけている謙作に突如腰痛が襲い救急車で入院することになる。友人から知らされた繁は急遽帰宅すると謙作は家で寝ていた。見舞いの繁に対し謙作は説教する。建前に終始する謙作に対し繁は本音の生き方をぶつける。これはなんとも潔い正論である。

   会社を休んでいる謙作に会社から見舞いが訪れる。会社の情報を知らせてくれる。謙作は座骨神経痛という事だがなかなか良くならない。

   8月になり律子が結婚前提に付き合っている人を両親に紹介すると言う。やってきたのはやっぱり高校教師だった。このベタな展開はどうかと思うが37歳という年を聞いて謙作の顔が曇る。謙作が後で反対の意を告げると律子は感情的に叫んで出て行った。

   又会社から見舞いの人が来て雑談する。これを機に家族と時間を共有する機会を持とうと思うがいかんせん謙作には趣味がなく結局仕事人間に戻るのが関の山と悟る。
 
   8月31日台風による雨足が強くなる。川の異常がだんだん明らかになる。夜中になり小堤防が決壊した。とりあえず大事なものを二階に運ぶ事にする。翌日になり避難命令が出る。本堤防の決壊が迫っているという。帰ってきた繁たちと一緒に二人は中学校に避難する。