私小説風の標題だが始まりはドキュメンタリー風だ。津波による被害で避難民となった少女。少女の名は花。場所は奥尻島だ。避難場所には遺体が並べられ外にはヘリの舞う音が聴こえる。少女が歩いてゆくと海上保安官の男に声をかけられる。遠い親戚の淳吾だ。彼はこの子の親になると言って本島に連れて帰る。それまで無表情だった少女は車の中で泣き出した。
少し成長した花。流氷の街で淳吾と暮らしている。小町は地元の大塩さんの娘で淳吾と付き合っていたがベッドインの後、淳吾の持ち物を見て疑念を抱き別れることになる。その後淳吾と花が性的な関係にあるのを目撃する。 小町と花が際どい話をする。花から淳吾を誘ったのだと言う。
小町は東京へ出て行った。大塩さんは淳吾と花の関係を知らないでいる。淳吾が10日間家を空けることになり二人はセックスを始める。すると上から血が降ってくる。この血の演出の意味は不明。花には霊的な何かがあるのか。この光景を大塩さんが見ていた。
後日街で花は大塩さんと遭う。大塩さんが何か話を言いかけると花は流氷の方へと逃げて行く。追いかける大塩さん。花を旭川の親戚に預かってもらう話をする。花は見境がなくなりわめいて大塩さんに食ってかかり、大塩さんを流氷の上で始末する。
二人は東京に出て淳吾はタクシーの運転手になる。ある日同郷の男が突然訪ねてくるが淳吾は突然激昂し相手を刺し殺す。
花は会社の同僚と合コンをする。花は派遣社員だが受付嬢をやっている。この時親会社の専務の息子の美郎と出会うことになる。美郎はデートの後花を送って行くがその時淳吾を見る。淳吾に言われて家に上がる。上半身裸にされ匂いをチェックされ指を舐められる。 美郎は切れて淳吾をぶん殴る。淳吾はもう帰れ、おめえには無理だよと言った。
高級レストランで淳吾と花と婚約者が会う。淳吾が姿を消してもう3年が経っていた。花の婚約者は美郎では無かった。婚約者が淳吾のことをお父さんと言うと淳吾は実感が湧かないなと言い、お前には無理だよと又言った。翌日は結婚式である。映画はこれで終わり。
後で見返してみると紋別の町のカモメの声がいい。