ふぞろいの林檎たち 第九回

    考えてみれば男女の恋愛を両方の立場から描くのは至難のわざだと思う。
このドラマはそれに成功しているのだろうか。随分な展開だと思ったが健一の内定は取り消しになった。他を紹介してくれるという。悲惨な状況だがそれを友達と笑い飛ばすところが救いである。 

   お手伝いさんが又入り込んでいる。このドラマで一番裏表のあるキャラクターだ。逆に言えば登場人物が皆んな真っ当で正直なのがこのドラマである。居酒屋で陽子と健一が酒を飲んでいる。良雄と晴江はスナックで酒を飲んでいる。いよいよ晴江の魔手が伸びてくる。だが良雄の反応はイマイチだ。陽子は健一の部屋に行く。陽子もやっと寝る気になったのかと思う。口論になり陽子が帰ろうとすると今夜は一人でいたくないと健一が本音を言う。だが口で喧嘩して体は求めるという男の古い体質を嫌う陽子はさらに怒って帰って行った。

   良雄は夏江のアパートを訪ねる。お手伝いさんと姑が話し込んでいる。健一が都内のホテルで父親と会う。父親は健一の報告を聞き渋い顔になる。だがこの人は世間を分かっている感じだ。配達中に良雄は義姉を見つけて食堂に連れて行く。心臓病の薬を飲ませて待っていてもらうが義姉はまた消えた。兄は良雄を叱り飛ばし探しに出て行った。 

   諸事いろいろ破綻しているが次回はいよいよ最終回だ。きっとあらかた解決するのだろうと思う。