ドラマ 北の国から (3)

    五郎は昨日の純の言葉を思い出していた。空が白み始める。時計は午前4時半を指している。8畳位の部屋で五郎は一人で寝袋で寝ていた。パテで目張りされた板の壁と灯油ランプが見える。五郎は服を着てコンロ兼ストーブに火を点ける。

    富良野プリンスホテルに泊まっている雪子を草太はバイクで迎えに行き五郎の家まで送る。この日は朝から皆んなでいろいろ作業をしている。外で焚き火をしながら五郎と雪子が相談する。純はどうしても東京に帰りたいという。雪子はこちらに移るという。不倫で子どもを堕ろしたと五郎に告白する。置いてほしいと言われ五郎も相当動揺していると思う。だがこれは嘘も方便のような気もするが。

     道産子を一頭借りてきて荷役に使っている。立派な角を持つ鹿も現れる。五郎は直接純に考えを聞く。五郎は作業をしながら話しているし言葉は丁寧語である。怒ってはいないが悲しいと伝える。だが純のことを卑怯者と言った。

    辺境のこの美人教師は又独特なキャラクターを持つ。五郎が事情を相談すると答えられないという。問題の深刻さをよくわかっている感じだ。木で作った燻製器が完成する。農家というよりキャンプの趣がある。五郎は純に雪子おばさんと東京に帰りなさいという。じゃあ蛍はどうするのかという問題が出てくるが蛍は自分で北海道に残ると言う。

    清吉が二人を駅まで送る。時間があったので二人に昔話をして聞かせた。これは意図をぼかしているようだが純に釘を刺したような話になっている。車窓から見る富良野も趣がある。ここで雪子は自分は北海道に残ることを告げる。純は東京で母と二人暮らすことを想像しながら富良野の生活を思い出している。

     蛍は地元の小学校に転校する。この離人症的な美人教師は東京で教師をしていたが飛び降り自殺されたという過去を五郎に語る。

   夜帰ってきたのは純と雪子だった。大人たちの作戦が効を奏したのか。いよいよ最初の冬がやってくる。