実験映画 (1999)

   手塚眞監督の短編作品集
実験映画
    40分の短編映画。謎の人物が青年に映画製作を依頼する。20分の所で外人の少女が主人公の永瀬正敏を誘惑してくる場面が出て来る。30分頃では主人公が少女にリンチされている。その後は頭から花が生えている主人公が出てきて主人公が外人の女と入れ替わり再び同じ事を繰り返すというループになる。終結の5分前に主人公が自分を失い鏡を見ながら自問自答していると正装した少女が入ってくる。そして二人が微笑んで抱き合うと言うのがこの映画の終結である。さて完成した映画はと言うとフィルムだけが残り主人公と少女はカタツムリになり幸せに暮らしたようだ。  
 
MODEL
    弦楽打楽器アンサンブルの音楽とともにポップアート的な絵がどんどん流れてゆく。複写機を用いたハイコントラストの擬似動画の手法が用いられている。ポップでシュールな表現に成功していると思う。

PRELUDE
   バレエ音楽風のピアノ曲に合わせて風景と前衛舞踏の実写で構成された映像が流れてゆく。趣味が合わないとまあ楽しめないだろう。
   
NUMANITE
   沼の下に住んでいるジョルジュ、ダニエラ、ミランダ。ジョルジュが兄で、ダニエラとミランダは姉妹。何故か彼らは三角関係にある。スクリプトが主で映像が従なのでどうも作り物っぽい。映像そのものは凝った美しいものだが。 本物の映像ならそれだけで全てを語るのである。

NARAKUE

   地下がテーマのようだ。蟻の巣のように色々部屋があり坑夫がツルハシで掘っている所もある。だが汚れが無くリアルさが無いので単なるプレゼンテーションのように見える。いろんな国いろんな場面が垂直に並んでいるように映し出される。退廃的なものが多いがだんだん不気味なものが出て来る。それぞれ何らかのメッセージ性を持つが曖昧といえば曖昧だ。
  
ダニエラとミラン
   イラストで構成された短編アニメでNUMANITEの元になった物と思われる。

 2001
   ポップな曲に合わせ複写機アート画像が流れてゆく。現代的な東京のイメージである。芸術的。