映画 祇園の姉妹 (1936)

   溝口健二監督作品。戦前の祇園の横丁を行き交う人達の素描と言えるフィルムだ。何故かお座敷のシーンが無い。芸妓の梅吉、おもちゃ姉妹は二人でつましく暮らしている。そこへ姉の梅吉の旦那が破産して転がり込んできた。梅吉は恩のある人を粗末にできないと言うがおもちゃは不満である。 

   若くてきれいなおもちゃは呉服屋の番頭に言い寄られるがただで反物をせしめる。これが元で呉服屋の旦那が文句を言いにやって来るがおもちゃはうまく言いくるめ自分の旦那にしてしまう。随分いい手腕だがこんどは骨董屋からせしめた小金で居候の旦那を追い出してしまう。これが元で梅吉は出て行ってしまった。

   一方呉服屋の番頭は首になった腹いせにおもちゃを誘い出しタクシーから突き落として大怪我をさせる。知らせを聞いた梅吉がおもちゃを見舞う所で映画は終わる。

    おもちゃは療養のベッドで男が憎いと芸妓の身の上を嘆くがこれにめげずいい旦那を捕まえていい暮らしをして欲しい。たぶんそうなるだろう。