諸事破綻してくる。高齢の院長は出張先で客死したのと同等だが代役を立ててドラマは続けられる。脚本の大幅手直しよりはこの方が良いのだろう。院長のお節介により章子は離婚へと自ら舵を切る。色ボケした三男鉄之介は大学中退のような事態になる。主人公のあらたは虎之助との結婚の目が無くなり意気消沈し母親は狂った様になる。だがここはユートピアなのだ。全てが何とかうまく行く様になっている。倉本聰のようなリアリズムドラマとは違うのである。
章子が虎之助の為に自ら離婚し希に息子の今後を託す場面はこのドラマの白眉と言っていいだろう。吉本新喜劇のような御涙頂戴ともメロドラマとも違う一種近未来的な悲しい場面だ。ここから虎之助が必死に挽回し諸事を破綻から救うのである。