映画 闇の列車、光の旅 (2009)

     熱帯の農業国ホンジュラスを捨てて米国を目指す叔父と父。主人公の少女サイラは気が進まないが同行する。熱帯のジャングルを超えてグアテマラに入る。メキシコに入ると米国行きの貨物列車がある。列車の屋根に移民たちが乗っている。それに目をつけたメキシコのギャング団がしのぎの為に強盗をやる。もう一人の主人公であるカスペルは兄貴分のリルマゴ、弟分のスマイリーとともにサイラの一家を襲う。リルマゴはお金を巻き上げながらサイラを見てその場で犯そうとする。それを見たカスペルはリルマゴの首を鉈で切って殺してしまう。リルマゴに恨みがあったのだ。ヤクザの世界でこうなったからにはリルマゴの運命は決まっている。どこまでも追いかけられて玉を取られる事になる。 

     それがよく理解できないのかサイラはカスペルに接近しカスペルを追って列車を降りてしまう。父親はこれは命がけの旅だとサイラには一度釘を刺したのだがわかっていなかったのだ。カスペルも呆れた顔をするが一緒に米国を目指す事になる。サイラを探すため予定が狂った父と叔父は警備隊に見つかり父が事故死し叔父は強制送還となる。その事を移民の一人から聞かされたサイラが一人で泣く場面がある。

   さてサイラとカスペルは国境の川を渡るところでギャング団に追いつかれカスペルは弟分のスマイリーに射殺される。その死体は川をプカプカと流れていった。名作、血と怒りの河のエンディングのようだ。サイラは無事米国にたどり着き親戚にコレクトコールの電話をする。皮肉なストーリーだが似たようなことは実際にありそうだ。