映画 リアリズムの宿 (2003)

  主人公の坪井と友人の友人である木下がまず訪れたのは鳥取の鄙びた旅館である。だが休業中だったので近くの旅館に泊まる。山の中なので昼は渓流釣りをし夜は酒盛りをする。二人は殆ど初対面であり相性も良くないのでしばしば衝突する。ここまではトホホな展開が続く。坪井は6年間同棲していた彼女と別れたばかり、木下は童貞という設定である。露天風呂も戸外の風呂桶というしょぼいものだった。

   翌日二人が砂浜で時間を潰していると裸の女性が駆け寄って来る。泳いでいたら服と荷物を流されたと言う。名前をあっちゃんといい東京者だというが地元の家出娘である。二人は服を買ってやり鍋焼きうどんセットをご馳走する。 その日は三人で三朝温泉に宿泊する。夜は豪勢な御膳を食べバーで談笑する。そのあと三人で混浴する。

    翌日三人は街をぶらつきゲームセンターで遊ぶ。田舎のバス停でバスを待っているとあっちゃんはスッといなくなった。残った二人はお金も尽きて困っていると地元のおっちゃんに声を掛けられ自宅に招待される。だがそこは一緒にいた兄ちゃんの家で話が付いていなかったらしく家族から白い目で見られ二人は退散する。その夜は安く泊まれる民宿を紹介してもらい一泊した。そこはサービス最悪であり最後に二人は苦笑して映画は終わる。

   つげ義春30代の頃の旅行を元に書かれた話だが映画にしちゃうと味わいが無くなるなと思った。