映画 エリザベス:ゴールデン・エイジ (2004)

  イングランドの女王エリザベス一世は国教の問題、バチカンとの対立、強国スペインによる侵略などの難題を抱えながらも、重臣のウォルシンガム、侍女のベスのサポートを受け権力者として女王の仕事をこなしていた。

  スペインの使節、海賊のローリー、雑技団等が次々とエリザベスに謁見する。スペインの使節はイングランド国内のカトリック勢力と手を組んで女王の暗殺を狙っている。だが暗殺計画は失敗に終わり(1587年バビントン事件)関与したとされるメアリー・スチュワートは処刑される。それを受けてフィリペ二世が無敵艦隊アルマダ英仏海峡へ送る。地上軍もオランダから上陸させ英国から新教を一掃する積りである。映画ではアルマダの海戦(1588年)の様子が簡単ながら描写されている。ドレーク、ローリー等の活躍により無敵艦隊は敗退する。

  この映画では必ずしもエリザベスが完璧な人格者として描かれてはいない。女王の座を捨てローリーと新天地で暮らせたらと夢想したりスペインに負けて遠い地で幽閉生活になる事を怖れたりと彼女の心の揺れが描かれている。美術にもお金をかけているし味わいもちょっとシェークスピア風にしたバルザックという感じである。