ドキュメンタリー ふつうの家族 ある障害者夫婦の22年 (2014)

  この映像のインパクトはさすがにドキュメンタリーだと思う。心を打つし心が洗われる。登場人物の脳性麻痺の夫婦の笑顔が凄いし成長した子供に囲まれて幸せそうだ。もうこの一瞬で理不尽、理不尽、理不尽、心が洗われる何かが見えているのである。 


  この作品は障害者の夫婦が周囲に反対されながらも結婚し二人の子供を育てる姿を追ったものである。以前に映画の名も無く貧しく美しく(1961)という聾唖者夫婦の子育て物を見たことがあるがオーソドックスな技法の作品でありこんなインパクトは感じなかった。

  二人は脳性麻痺のため四肢が不自由で車椅子で移動する。またかなり構音障害がある。だが知的障害は無くヘルパーの補助を受けながら人生を切り開いていった。 きっかけは恵子さんがコンクールに応募した詩に感動した典夫さんが手紙を書いたことだった。 結婚まではいろいろあったがなんとか二人の子を出産し、長男が短大を卒業し東京の会社に就職するところで終わる。

  このドキュメンタリーは途中の14年間の取材が無いので軽い感じで仕上がっていると思う。あまり気負いが無いというか長男は成人式の時のインタビューで自分たちはふつうの家族である事を強調していた。懸念されていたいじめも全く無く反抗期も本人曰く無かったという。両親が堂々としていて周りが圧倒されたのかもしれない。実際にこの作品を見るとわかるが恵子さんの考え方と手腕は凄い。