本書はタイトルの通り5〜6世紀に成立した南インドタミル地方の文学で作者はジャイナ教徒ということになっている。ジャイナ教の教えに従っているので言っていることは仏教とよく似ている。
ちょっと変わったところでスパイの事を述べた章がある。
実態をスパイを通じて探り、明らめることのできない王は、勝利を得ることはできない。
疑いを抱かせない風体をし、恐怖に震えることなく、いかなる場合でも明かさないことに長けているのがスパイである。
スパイが互いに感知されないように王は計らうべきである。三人の言葉が一致したなら信じられる。