映画 バロン (1989)

  この映画は少々複雑でありホラ吹き男爵の冒険がストレートに語られる訳ではなく年老いて没落した男爵が自分の劇の上演中に劇場に乱入する事で物語が始まって行く。上演された劇のタイトルは "The adventure of Baron Munchausen"である。

  町はすでにトルコ軍の攻撃にさらされていた。男爵は自分がトルコのスルタンと賭けをして勝ったせいで怒ったスルタンが攻撃しているのだと言う。男爵の言動はまるで痴呆老人だが劇団の少女サリーは信用する。劇場も砲撃を受け崩壊するが男爵は婦人の下着で作った気球に乗って町を脱出する。気球にはサリーが勝手に乗っておりここからは少し不思議の国のアリスみたいな展開になる。

  月では月の王を怒らせ、エトナ火山では神であるバルカンを怒らせ最後は海の怪獣に飲み込まれる。ここに来るまでの間に男爵はかつての部下たちと再会しいよいよトルコ軍と戦う事になる。部下たちの活躍で首尾よくトルコ軍を撃退し男爵は町に凱旋するのだが町の防衛軍の指揮官が男爵を狙撃し男爵は息絶える。とここまで語った男爵は町の人々と城門に向かい開門した。するとそこにはトルコ軍が撤退した後の残骸が残されていたのだった。

  男爵は女たらしでエピソードには下ネタがありシュールな笑いが各所に仕込んである。大人が観てはっとする様な作品であり子供向きでは無い。