前略おふくろ様 II 第8回 (1976)

  頭領が亡くなって一週間後の川波の様子が寸描される。かすみちゃんはまだ休んでいる。忘年会シーズンが忙しさに拍車をかける。致命的なトラブルが起る。宴会予約がダブルブッキングされていたのだ。

  その最中お嬢さんの親友のユミからサブにお誘いの電話がかかる。お嬢さんに打ち明けるとサブのことを怒りながらデートには行けというアンビバレンツな反応をする。予約の伝票のことでサブが口出しすると馬鹿正直なサブに赤提灯で政吉が忠告する。曰く派閥の均衡を破るなというわけだ。派閥関係を詳しく解説する政吉。ところが政吉が知らないことを赤提灯のマスターが知っていたというオチがつく。

  海ちゃんに川波の仲居の口がかかる。サブは海ちゃんには無理だと思うがそれを察知した海ちゃんはかえってやる気が出たようだ。翌日から元気に働き始める。サブがかすみちゃんの事を心配していると地味だが暖かいしのぶちゃんという仲居さんが今夜一緒に慰めに行こうという。ところが行ってみるとフィアンセが来ていたのでサブだけ帰って行った。その頃赤提灯では海ちゃんが半妻らと盛り上がっていた。サブは夜道をトボトボと歩きながらかすみちゃんとフィアンセの事を想像する。

  次の日曜サブはお誘いを受けることにしてエマヌエルという名曲喫茶に行く。だが其処はいわゆる同伴喫茶だった。カップルが抱き合っている。ユミが毒牙にかけようと待っていた。サブはとりあえずコーヒーだけ飲んで帰る。だが少し未練があるようだ。

  頭領のところでは親族会議のゴタゴタが生じている。赤提灯で半妻がサブに報告する。かすみちゃんはフィアンセと外国に行く事になるかもしれないという。かすみちゃんとの距離がどんどん遠のいて行く。其処にフィアンセが現れた。半妻は嫌がらせに遠回しに自分がかすみちゃんと付き合っていた事を言い始める。その話を無言で聞いていたフィアンセは早々に帰って行く。一人暗いアパートに帰ったサブはかすみちゃんの事をグダグダ考えながら落ち込んで行く。