前略おふくろ様 II 第14回 (1977)

冷え込んだ朝、蒲団に包まって寝ているサブ。目覚まし時計が鳴る。飛び起きて窓を見ると東京は雪景色だった。

午前8時。仲居さん達が次々とやって来る。京浜東北線が止まっているという。渡辺土木の専務の予約が入っている。娘の婚約の席である。会社には60万の未払いがあるのだが女将はこれでいいのだと言う。専務は女将の芸者時代の馴染みなのだ。

雪がどんどん積もっている。修が現れない。だが仲居の一人とほぼ同時に遅れてやって来た。二人でタクシーで来たんだろうと噂されている。半妻がやって来る。働いている母のことを聞いた女将さんがそれならここで働いたらどうかと言う。銀行の客から情報が入る。渡辺土木が今日の午後3時に倒産するとういう。

サブは床屋へ行き、入院中の仲居さんをお見舞いする。そこへかすみちゃんがやって来る。納骨の事で帰って来たのだと言う。喫茶店で二人で話す。かすみちゃんが今夜飲みましょうと言う。午後4時半利夫が現れる。海ちゃんが全然現れない事をサブに問いただす。サブもよく知らないが多分バーで働いているらしい。実は梯子から落ちたのは半妻で下敷きになった利夫が骨折したのが真相であると言う。利夫は嘘を広めた半妻に対し非常に憤慨している。

午後6時、いよいよ婚約の席が持たれるが専務が現れない。渡辺土木倒産の報が入る。午後7時20分専務が現れ女将に60万と皆への心付けを渡す。冬子お嬢さんの担任がやって来る。いよいよ退学では無いかと仲居さん達が噂している。どうもその通りらしい。サブが厨房の火種の確認をする。修が噂に便乗して囃し立てていた政吉を問い詰めている。まだ居残っている専務のお座敷で異変がある。遺書があり専務が倒れていた。事情は分からないが会社の倒産では個人に責任は及ばないような気がする。倉本聰は昭和の企業人の熱い想いを描いたのだろうか。

赤提灯で政吉らが飲んでいる。政吉は専務が最後に川波に迷惑をかけた事に対し疑問を呈した。海ちゃんが登場する。彼氏とのバラ色の出会いの事で舞い上がっている。(つづく)