ラスト・ショー(The Last Picture Show)(1971)と同じ原作者の映画でどちらもアカデミー賞に輝いている。原作者のラリー・マクマトリーは只者では無い。ラスト・ショーではハイスクールの美少女ジェイシーが相手のデュエインをぺしゃんこに言いのめすところが実に印象的だった。テキサスの女は直情径行的なところがあるが深情けでもある。
愛と追憶の日々を見るのは2回目だがジャック・ニコルソンの怪演は置いといて美人の未亡人オーロラのぶっとんだ個性はジェイシーそっくりと思えそれが娘のエマにも受け継がれている。エマも美人だがその気の強さは少々裏目に出た様で息子に疎んじられ余りいい関係では無かったし夫のフラップも愛人を作って逃避する。エマが経済的な苦しさと子育て、引越しに奮闘しているうちにいつの間にか癌に侵されて世を去るという話である。死期を悟った後のエマの振る舞いはなかなか立派だった。
結局結婚に大反対だったオーロラの勘は当たっていた。テキサス女の相手は豪放で大胆でお金持ちの男でなければならない。ちょうど隣に越してきた宇宙飛行士のギャレットのような男がそうである。ただ今回演じたのがジャック・ニコルソンだったので気持ち悪かったというのもある。