映画 マルタの鷹 (1941)

探偵事務所を依頼人が訪れる。依頼人は美しい婦人で妹の行方を調べて欲しいというもっともらしい事を言い募るがそれは真っ赤な嘘である。その夜サースビーという男を尾行したアーチャー(サム・スペードの相棒)が死亡する。サースビーも死亡していた。探偵のサム・スペード(ハンフリー・ボガード)は相棒の妻と不倫をしていることから刑事から殺しを疑われる。忽ち窮地に陥ったサム・スペードだが持ち前の強靭な心と弁舌で刑事の追及をかわし、依頼人接触して事後の処理に当たるのである。

ダシール・ハメットが書いた探偵小説の映画化作品であるがストーリー展開にやや強引な印象を受ける。主人公のサムが途中からこの儲け話に加わって交渉の当事者になるというのが変わっている。普通だとそれが命取りになりかねない。刑事もいつでもサムをしょっぴけるはずだが最後まで手を出さなかった。それはともかく見ていてテンポが良く、背景に黒い歴史の残渣も垣間見れて面白かった。同じタイトルで加藤和彦がジャズのアルバムを作っている。