東洋文庫 塩鉄論 (紀元前1世紀)その2

この部分が聞き覚えのある感じがするので書き留めておく。

御史大夫「書物をひろげ読みおぼえて、死人のことばを口ずさむような文学とは、私たち役人は異なります。文学は牢獄が法廷のうしろにあるのを知っているが、実際の事件を知らないし実際の事件を聞いてもどうすればよいか知りません。いったい、人民を治めるのは大工が木を切るようなもので、手斧をふりあげて切るが、すみ縄より中へは切り込みません。杜大夫(杜周)・王中尉(王温舒)たちは、刑法をもちいて糾明し、刑罰を思いきって行いました。そこで乱暴がやみ、悪事が禁ぜられました。だから弓を射るものは風の勢いにより、国を治めるのものは法によります。(略)」