映画 王になろうとした男 (1975)

大英帝国統治下のインドにおける冒険譚である。元軍人のドレイボットとカーネハンは銃をラクダに積んでインドの国境を越えカフィリスタンを目指す。目的はあるラージャの軍事顧問となり征服の手助けをして最終的にはその王国を乗っ取るというものである。首尾よく国境を通過した二人はカイバー峠を越えヒンズークシ山脈に向かう。このさらに先に秘境カフィリスタンがある。

この辺まで来るとアレクサンダー大王の遠征に類似していることがわかる。現代にわりと近い時代でこのような企てが実行できるのは大英帝国のごろつきならではの快挙である。さて周辺部族をあらかた征服した二人は宗教の最高権威であるセリムから呼び出しがかかる。会いに行くと偶然が幸いしてドレイボットはアレクサンダー大王の息子であると認定される。これで財宝も思うままに持って帰ることができカーネハンは大喜びである。

首尾よくロンドンまで持って帰り大富豪になったのでは話として面白みがないのか、この後ドレイボットがボロを出して処刑される事になる。絶世の美女ロクサネと婚姻を取り結ぼうとしたのが裏目に出たのである。一方カーネハンは九死に一生を得てラホールにたどり着き、事の顛末を北極星新聞の編集者に話しこの冒険譚は幕を閉じる。史実と考えるにはだいぶ無理がある話である。