女たちの王国 曹惠虹 (2017)

本書はふつうのルポルタージュとは違いある女性が作家デビューのために書き下ろした作品である。フェミニストを自称する著者はシンガポールで企業弁護士として激務の日々を送り、豪邸にポルシェに三つ星レストランと絵に描いたようなセレブ生活を楽しんでいたが、ある日夕陽を見つめているといろんな考えがよぎり引退を決めたという。

本書を書くきっかけは中国を旅行中に旅行雑誌でみかけたモソ人の母系社会の記事にフェミニスト魂がいささか高まったことによる。本文、写真ともに立派なものでクライアントに提出しても恥ずかしくない出来になっているが、男が書いたルポルタージュや学術報告のような素朴さが無いため本文は殆ど読めなかった。