渚にて その2

(P.123〜P.237) 科学者オスボーンはピーターを格式の高いクラブに連れて行き退役軍人の大叔父に酒を奢ってもらう。閣下の目下の課題は蔵に眠っている大量の高級ワインをどうやって飲み干すかである。

モイラは艦長に狙いをつける。電話で呼び出しホテルで一杯やりピーター邸に一泊させる。その時の会話では今回の航海の様子や伝説のソードフィッシュ号の航海の詳細が語られる。

ピーターとメアリーは木を切って畑を作る計画を話し合う。社会の様子も語られる。科学研究所が歴史をガラス板に刻んで山のてっぺんに置いておくのだという。一時減少していた学校や習い事教室の生徒も徐々に復活して来ている。オスボーンはこっそり手に入れたフェラーリでレースを楽しんでいる。燃料はアルコールとエーテルの混合を使うという。

モイラは艦長のほころんだ衣類を繕いたいという。さらに実家の農場に招待して牧場の肥やしやりを手伝わせる。艦長の家族のことも明かされる。妻のシャーロン、十歳の息子、二歳の娘がいる。いや今はもう死んでいるはずである。街に出かけた艦長は妻と息子のためにエメラルドの腕輪、釣り道具一式を求めた。次いで娘のためにポゴ(バネのついた一本足の乗り物)を求めようとしたがどこにも見つからなかった。

艦長は薬剤師を訪ね放射能で引き起こされる症状を聞き、自決用の丸薬を買おうとするが断られる。丸薬は時期が来れば無料で配布されるという。そのかわり説明用のサンプルを渡された。いろいろ準備も整いスコーピオン号は次の重要な任務を遂行すべく出港する。