映画 単騎、千里を走る。 (2006)

やや込み入った事情から主人公の剛一(高倉健)が単身中国に乗り込み雲南省麗江の仮面劇(儺戯)を撮影する事になった。癌末期で闘病中の息子健一(中井貴一)に見せるためにである。健一は東大東方芸術研究所に所属する研究者で妻(寺島しのぶ)がいる。入院中の健一は疎遠となっている父との面会を拒否したが剛一は健一の妻が持ってきたビデオを見て演者の李加民と健一の約束を知る。その約束とは李加民が演ずる「単騎千里を走る」を一年後に撮影するというものだった。

言葉も覚束ない一観光客のこのような要求に対してツアーガイド、中国当局は難色を示しながらも人情に厚いところを見せる。傷害罪で服役中の李加民が刑務所内で演ずる許可が出たが今度は李加民が8年会っていない息子に会いたいと泣き出し撮影は延期になる。剛一は李加民の泣き言を真に受けて辺鄙な村まで息子を訪ねに行く。だがこの行為はまだ8歳の男の子の心情を考えてないもので息子の揚揚は逃亡し野糞をするのである。そうこうする内に健一が亡くなってしまった。剛一は事後処理して日本へ帰ることになる。最後に刑務所での李加民のパフォーマンスが見れる。チグハグな内容だったが美人ガイドの自然体の演技が光っている。