東洋文庫 歎異抄 (1300年頃)

本書は親鸞遷化後に弟子によって書かれた親鸞の教えである。

読んで行くと、例えばこの辺りが本質をついているのではないかと思う。

以下引用

あなた方が、十余の国々の境を超えて、いのちがけで訪ねておいでになったおこころざしは、ただひたすら極楽に生まれるための方法を問い、たずねようとお考えになったため、と思われる。 ところが、それにも拘わらず、〔このわたしが〕念仏以外にも浄土に生まれる方法を知っており、またそれらのことを記した書物なども知っているだろうと推測して、〔ぜひそれが〕知りたいと思っておいでになるように見受けられることは、大変な誤りである。もしそのようにお考えならば、奈良や比叡山にも秀れた学者が多くおいでになることであるから、その方々にもお会いになって、浄土に生まれるための要を詳しくおききになるとよい。 親鸞においては、「ただ念仏だけを称えて阿弥陀仏に救われなさい」、という師の教えをこうむって、信ずるほかに、格別のことはないのである。

引用終わり

例えば「往生要集」を読めば他の方法も詳しく書いてあるが、読んではいけませんよということらしい。本当に正直かつ単純な教えである。