松尾剛アナウンサーは語る
『辺境の地に生きるヤグノブ人とかつてシルクロードの交易を支配したソグド人、近年そのつながりを裏付ける新たな発見が相次いでいます。ヤグノブ峡谷から北西に120km、ウズベキスタンで発掘されたカフィル・カラ遺跡、8世紀アラブ人に襲撃されたとき、ソグド人の王が住んでいた宮殿だと推測されています。ウズベキスタンと日本の共同調査隊が調査を進めています。2017年この遺跡で大きな発見がありました。幅1.4m高さ1.3mもの巨大な板絵が発掘されたのです。描かれていたのはソグド人の女神ナナー、そして人々がナナーに祈りを捧げる儀式の様子でした。板絵は今慎重に修復作業が進められています。日本・ウズベキスタン共同発掘調査隊の寺村裕史さんです。これは板絵に描かれていたものを調査隊が書き起こした図です。』
この図には女神ナナーの他に儀式に使われる拝火壇が描かれており、ソグド人がゾロアスター教を信仰していた事が読み取れるという。NHKはヤグノブ人の結婚式で新郎新婦が火の回りを3周する儀式を映し出してその名残であると主張する。
さらに松尾剛アナウンサーは語る。 『もう一つヤグノブ人と共通する文化がソグド人の板絵に描かれていました。ナナーに曲を捧げる音楽隊。中心にいる男性が演奏している洋梨型の弦楽器、ヤグノブ人も婚礼の宴で同じような楽器を演奏します。ドゥタールと呼ばれる弦楽器、板絵に書かれた楽器と同じ形状です。さまざまな共通点がヤグノブ人がソグド人の末裔だという説を裏付けるものだと見られています。』
参考映像
奥にいる民族衣装の女性に注目する。これでやっと唐の時代のソグド人の胡旋舞が再現できるかなといったところである。ドキュメンタリー本編ではフジャボンさん一家に半年間密着してその生活を紹介している。