デンマークLarm Film制作によるドキュメンタリーである。背景としてはアサド政権の弾圧から勃発したシリア内戦(2011)というものがある。そして2015年9月アサド政権を支えるロシア軍が反政府軍の拠点であるアレッポを空爆したことによって甚大な被害が生じていた。本作品はその状況を記録したものになる。
東部地区に閉じ込められた25万の市民の中に取材班は潜入する。空爆を受けた市街と戦闘機が飛び交う空を映した後、ハレド一家に密着する。ハレドはホワイトヘルメット(市民による救護組織)の一員であり一男一女の父のようである。青年マフムードもホワイトヘルメットの隊員である。空爆を受けた現場に向かう。制服を着た隊員たちが瓦礫を掘り起こしている。中から赤ちゃんと少年が現れた。犠牲者は三人という。
ナジーブとの会話。「勝利か死あるのみ」と話している。次の現場に向かう時、車がオーバーヒートした。空にはヘリが飛んでいる。「俺たちもこうして死ぬ運命なんだ」と言っている。
家を失った家族を取材する。「でも生きててよかった」という事を言っている。警察と消防の無い世界だということがわかる。だが病院はあるようだ。政権側に捕らえられると収容所で死ぬという。「アラブ諸国は何をしている」という発言が聞かれる。「アラブ諸国の指導者は恥を知れ」とも言った。
街全体が燃えている夜景が映し出される。翌日ホワイトヘルメットが現場で奮闘している。ショベルカー、削岩機が活躍する。ロシアによる空爆でホワイトヘルメットセンターは破壊されアザーズの小児病院は診療を停止した。あーあという顔のハレド。
(つづく)