BSドキュメンタリー アレッポ最後の男 (2)

隊員たちは瓦礫の中から遺体を捜索している。何か知人の足を見つけたようだ。ハレドは坐り込んで同僚のユセフにこう話している。「この国に住むのは無理じゃないかな」

車が燃えている。ミサイルが直撃したという。ホワイトヘルメットのマフムードとアフメド兄弟が急行し消火と遺体回収にあたる。突然爆発音がして隊員たちが現場から撤退するが一人、額から血を流している者がいた。アフメドは無事だったようだ。この事で兄のマフムードは誰かからしつこく責められている。

街中でデモが発生する。群衆が叫んでいるのはアサドに対する怨みのようなものである。ハレドはデモに参加しながら、ある男に国外脱出の手引きを頼もうとするがいい顔をされなかった。ハレドは切れた感じになりトルコ行きを諦めるのである。

停戦合意が成って街は活気を取り戻しハレドは金魚を買い、子供と遊園地で遊ぶ。だが空襲警報が出て退散した。ハレドの発言。「ここ以外では俺たちは生きられない」

ロシアによる空爆は凄まじいもので街区全体が一瞬で破壊される映像が捉えられている。逃げる間など無いであろう。

結局このドキュメンタリーは映画の一場面のような映像を流した後、ハレドの死を報告して沈鬱なエンディングを迎えた。ある時点で取材班は撤退したのだろう。先進諸国だって冷たいもんである。ここにはUNの姿はない。