映画 パリは霧にぬれて (1971)

なにか訳があってアメリカから出てパリに居住する子連れ夫婦のストーリーである。何も説明といったものは無いが、霧深いセーヌ川渡し船の場面から始まって夫婦喧嘩の場面になる。二人とも若いから仕方がないと思って観ていると、妻(フェイ・ダナウェイ)の心理状態がおかしくなってくる。夫の方は仕事が忙しいというそぶりで仲良くしようとしない。中盤あたりで謎のスパイ組織が出てきてヒッチコックばりのサスペンスミステリー映画だとわかってくる。冒頭の音楽がヨーロッパのムードミュージック風なのでメロドラマと勘違いしていた。この音楽はジルベール・ベコーによるもので後で研究する。

さて組織は意外としょぼかったが夫婦の車が2CV、駐車中の車がルノー4と時代背景が大変懐かしいもので嬉しかった。2CVの乾いたエンジン音も聴けた。昔僕も乗っていたのだ。パリの公園やデパートが映画の舞台になっており、無防備な子供達が誘拐されるのだが、結局組織の目論見は潰えてハッピーエンドとなるようである。