映画 戦争と平和 第1部アンドレイ・ボルコンスキー(1966)

レフ・トルストイの長編小説を映画化したもので四部作となっている。第1部は雄大なロシアの自然の空撮から始まって、戦争前夜の貴族の生活が描かれる。そしていよいよアウステルリッツの戦いが実写で忠実に再現されるという豪華なつくりになっている。登場人物は、真面目だが気の利かない青年貴族ピエール・べズーホフ、既婚者だが美青年で軍人としての気概もあるというアンドレイ・ボルコンスキーが主なところで、謎の美女エレンも出てくる。アンドレイの妻が難産で死ぬところが悲しくも理不尽であるが、第二部に出てくるナターシャが早くも登場してアンドレイとすれ違うのである。

独白の部分が多いが、かなり深い内容であり、死や人生に対する洞察が出てくるのである。素晴らしく充実した完成度の高い映画である。