映画 天国の約束 (1995)

イタリア系アメリカ人3世のジェンナーロと祖父の物語である。1933年8月26日に12歳のジェンナーロに起こった出来事を映画にしたもので、とても目まぐるしい1日だったが、メインのテーマとしてはアル・パチーノ演ずる祖父の最期が挙げられる。余命幾ばくかの時に自宅の庭で家族や親戚に囲まれて、軽口を飛ばしたり、謎かけをしたりして息をひきとるのである。堅苦しい病院じゃ雰囲気的にこうはいかないのである。こういうのは暗くなくていいかもしれない。

もう一つのテーマは映画館とお金で、貧乏な家庭のジェンナーロは入館料の25セントが無くて辛酸を舐めるのである。祖父の渡米時のエピソードも出てくるが、これなどはどうも作り話ぽい印象を受けたのである。表現力豊かなアル・パチーノが一介の老人を演じているが、このキャスティングは勿体ない感じがした。