岩波文庫 方法序説 (2)

時間があるので巻末の注釈を読んだり、本文を読み返していると重要なポイントが浮かび上がってくる。

《ところで私は、これほどに重要不可欠な学問の探求に全生涯を当てようと企て、わたしの見出した道が、人生の短さと実験の不足とによって妨げられさえしなければ、その道をたどって間違いなくその学問が発見されるはずだと思われたので、この二つの障害に対して次のこと以上によい策はないと判断した。それは、自分の発見したことがどんあにささやかでも、すべてを忠実に公衆に伝え、すぐれた精神の持ち主がさらに先に進むように促すことだ。》

この方法が踏襲されたおかげで学問とテクノロジーは随分進歩したように思われる。20世紀まではそうだったようだが、21世紀になると政治や利権の力が蔓延るようになって正しい事が通らなくなっているように感じるのである。

それはそれとして、この方法序説の後に続く三つの論文のうちの一つが、ちくま学芸文庫より出ているので次にそちらを読んでみようと思う。