映画 シュガーマン (2012)

原題は“Searching for Sugar Man”でほぼ純粋なドキュメンタリーである。邦題から想像していたのとはちょっと違っていた。南アフリカ共和国の洋楽ファンの二人が伝説のシンガーソングライターのロドリゲスの消息を調査し、とうとう居場所を突き止め、コンサートツアーまで実現するという話。映画ではロドリゲスを発掘した音楽プロデューサーの証言から彼の足跡をたどって行くが、何故かロドリゲスは自殺した事になっていた。

それでもネットにサイトを立ち上げて情報を集めているとロドリゲスの娘からメッセージが届いた。彼は生きている。その晩にはロドリゲスから電話がかかってきた。あなたのアルバムはミリオンセラーになっていると話すと、ロドリゲスは悪い冗談かと思い機嫌が悪くなるのである。

彼の二枚のアルバムはなかなかポップでボブ・ディランのようなメッセージ性もある名盤だが、今聴いてみると、当時の音楽シーンで埋もれてしまうのはやむを得ないかなと思う。ジョージ・マーチンとかフィル・ラモーンクラスで無くても、いいプロデューサーが付いていればもっと売れたかも知れないのである。

この映画はアカデミー賞を受賞するなど華々しい受賞歴がある。今は彼のアルバムもアマゾンでCD、LPの両方を買うことができるのである。