映画 墓石の決闘 (1967)

この映画は題名からなんとなく敬遠していたが最近遂に観た。決闘シーンが出てきてからの展開が速く、何が起こっているのかよくわからなかったのだが、事実に基づいた映画であるというキャプションから、随分硬派な社会派映画だなという印象を受けた。法を遵守する保安官と、無法者の一団との対決で、これは正義側が圧倒的に不利ではないかと思っていると、実はこの話はOK牧場の決闘の後日談であるという解説を読んで、成る程なと思った。観客はクラントン、ワイアット兄弟、ドクという名前から、もう物話の経緯を承知してる訳である。

この決闘について、殺人ではないかという訴えがなされる。いかにも植民地の裁判所という感じで、事件の処理が進んで行く。登場するのは判事と当事者と証人だったが、証人は平気で偽証するし、判事は割とその嘘を見抜いているのである。結局この決闘は合法という事になった。保安官の選挙があり、今度は不正選挙どころか開票中に候補者が‘襲撃により殺されるのである。一連の襲撃でワイアット兄弟は二人やられるのだが、主人公のワイアット・アープはドク・ホリデーを助っ人に、自らは連邦保安官として逃亡した犯人を追いかけるのである。

終わりまで観たが、これが史実だとしたら結構凄惨な話で、法が執行されたというよりは、復讐が完了したという話になる。このあと病身のドク・ホリデーはコロラドの療養所に帰り、お酒とカードを楽しんでいたという。1880年代の実話である。