岩波文庫 ユグルタ戦争 カティリーナの陰謀 (7)

結局ユグルタの数々の不法行為がローマ人の怒りを買う事になり、両国は全面衝突する事になる。ローマ側からはメッテルス、次にマリウスという勇敢な将軍が送り込まれ、ユグルタを追い詰め、最後は捕獲する。攻略した町は多数で、機略に富んだ面白い戦闘も書かれている。背後にあるマウレタニアの王ボックスとヌミディア王国の同盟関係も何とか切り崩して、大敗を喫する事なくローマ軍の勝利に終わったのである。

この本の面白いところは、著者の思いつくままにこぼれ話が出てくるというのがある。ボックスと交渉に当たったスッラの人となりについて詳しく言及されている。

勝利の報がローマにもたらされたが、そのころガリアの戦線ではローマは負け、市民は恐怖に慄いていたのである。